形見のお念珠

本店にお念珠を持ってお客様がご来店下さいました
女性用の珊瑚のお念珠で、房の取替え等をご希望されました。

お念珠には主玉・二天の玉等の決まった配置のバランスがあるのですが、
見せて頂いたところ、お客様のお念珠は玉の通し方がバラバラでしたので、
ご修復する際に、

「もし、よろしければ二天などの位置を正しい場所にお直しさせていただきますが。」

とお尋ねした所、
お客様は随分考えられた後、

「実はこのお念珠は母の形見の品で、こうやってよく見ると通し方もバラバラでなんだか変ですが、きっとこれは母が自分で直したんだと思うんです。
そう思うと私の希望としては、玉のバランスも全てこのままで直していただきたいのですが」

とのご希望でした。

お母様の形見のお念珠は、お客様のご希望通りにご修復され、
お手元にお返しする事ができました。

安堵したと共に、珊瑚のお念珠に残されたお母様とお客様の物語を感じました。

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伊藤 祐子

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