報恩講、親から子への贈り物

 この実家の仏壇は昭和初期にできた金仏壇です。たいへん立派なお仏壇で塗りの下地や漆の色艶は80年たった今もできた当時のままです。これはホントすごいことだと思いますね。で、毎年このお仏壇の前で父からの大切な贈り物があったのです…。

 父が晩年、「報恩講(ほうおんこう)」をやると言い出し、年1回このお仏壇の前に子や孫が集まり、父の導師で「勤行」「浄土真宗の教法」「小堀家の沿革(店と私)」)を午後1時から5時まで勤まりました。どんなに忙しくても絶対優先だったのです。

 父が社長現役時代、自宅デスクには経営書が並んでいましたが、晩年はすっかり仏教書に入れ替わり、熱心に真宗の勉強に励んでいました。

 唯円坊が耳にした心に響く親鸞聖人のお言葉が記された歎異抄を、私たち兄弟や孫たちに伝えておきたかったようです。

 また、軍隊時代の苦労話や生死をさ迷うシベリア抑留体験が経営者としてのチャレンジ精神の支えになっていたことなど…。

 報恩講で日々の暮らしでの大切なことを教わり、終わった後はほのぼのと豊な気持ちになれたことを思い出します。

報恩講で使われた父が書いた資料などは今も大切に私のお仏壇の抽出にあります。

 『国のために血を流し・家族のために汗を流し・友のために涙を流す…』
 『60%成功の可能性で断行、後は実行で努力。失敗してもシベリア抑留より悲惨はありえない…』
 『感謝・誠実と親切・情熱と謙虚で常に能力と人間性の向上に努力…』

 今になって思うこと…、
 父が伝えておきたかった『商道の心得』l、この精神こそがたいせつな贈り物だったのでしょう。

 この贈り物を代々受け継いでいくことは、仏壇仏具の伝統産業を扱う家に生まれた私たち兄弟の使命の一つ。

 - 父に感謝・心から合掌 —

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